心のアウトレットモール

文字起こしをすることで無理やり満足するためのチラシの裏。とは言ったものの、間違っていることはぜひ正したいので、これはさすがにと思ったら突っ込んでほしい。

「最近栄養剤が美味しく感じられて来たんだ」


「病んでそう」


はなから無意味と分かりきったような調子の会話だった。突拍子も無いことを喋り出し、それを一蹴する。私の中では日常茶飯事ともいえるやり取りだが、そこから見えてくるものもある。

ちょうど手持ち無沙汰だったので、状況を整理する。発起人は男だ。割りかし正義感とか、そういうのが強い。当の本人にはさして力はないのにも関わらずだ。空回りしがちな熱血漢と言ったところか。彼の言い分がこの場で聞き入れられたことはまあない。が、彼もこの場の一員であり、その彼に対して反射的に「病んでそう」といってしまう。それなりな危機であると考えてもいいだろう。

対して、その発言を返したのは女だ。今も是非もなしと言った表情で、ただじっと外を見つめている。時折流れて行く人混みに対して文句を垂れているようにも見えるが、外は明るいとは言えない時間…いや、この場合は天気がそうなのであって、このティータイムが始まってからさほど立っていなさそうだが、とにかく明るくはない。本当にその文句はちゃんと見て言ってるのか。しかしこの女、メンバーに対してでも辛口を使うことはあっても、投げやりな言い方をすることはあまりない。諦め半分のが正しいかもしれない。そこには暗に「まじでやばそうだね、どうにもできないけど。」という意味がありそうだ。

私は女の方に同情する。とりあえず、それっぽい話題でお茶を濁そう。


「明日の予定は」

「ぱーっとやりたいね!」


心配なさそうだ。明日、しっかりと気分転換ができたかを確かめれば良いだろう。


「明日は大仕事が一つ、明後日からは補給のために接続するからそれなりに備えておくように。それさえ守ってくれるなら、いっそ好きにやって来た方がいい。」

「あー明日それですか。はぁー。人生ってなんでこうままならないんですかなぁ、これでも私最前線組なんですよ!?労ってくれたっていいじゃないですか!」


「…ひとえに我々の責任だと思っている。」

「あいや、冗談だよ。責めたって何にもならん。私たちはみんなで一つでなけりゃ、普通の土俵にすら立てないんだから。」